人形のお葬式?ラブドール葬儀社の発想と実態

 ラブドールは素材次第に、耐久性と寿命が違ってくることがわかる。ラブドール処分はドールの持ち主に悩まされる問題である。中古店への販売とか、分解してゴミとして処分とか、親友に送るとか。但し、ラブドールは持ち主にとっては、ヨーヨーボール、プラレールのというような道具と違い、人間の愛情を込めた付き添いの仲間とも言える。このままで処分すれば、なんとか残念だと感じてしまう。ラブドールは仲間なので、人間のように、礼儀正しく別れるべきだ。

大阪府東大阪市にある、人間ラブドール製造所が運営する「ドール葬儀社」は日本及び、世界唯一のラブドール専門の葬儀を行う業者、2020年1月から営業を始めた。この店は大切なラブドールへあなた最後の愛情のお手伝い」を趣旨で開店した。ラブドールとのお別れ時がやって来るとき、「人と同じように感謝の気持ちをもってラブドールとお別れしたい」ラブドールの持ち主の気持ちに寄り添い最後の愛情の手伝いをするところなのだ。ドールの葬儀、処分、分解のサービスを提供してくれる。僧侶による、供養と葬儀、ラブドールを持ち主が望む形で適切に処分する。その流れは以下である。


①申し込み

メールで時間とプラン、オプションを選ぶ

②葬式料金の支払い

クレジットカード、銀行振り込みでプランにあたる料金を支払う(キャンセルすれば、返金に手数料が発生する)

③発送

支払いが確認後、管理番号つきの品名をもらい、住所、連絡先、品名を記入するうえ、指定の住所に発送する(ドールが段ボールに入ったほうがいい)。ドールが到着後、葬儀社は持ち主に連絡する。

④葬式を行う

注文したプランとおりに葬式を行う(参列できるプランがある)ドールの解体は過程に含める。

⑤お別れ

葬式後、ラブドールは大阪市市内の廃棄物処理業者のところに持ち込まれ、処分される。

⑥葬儀の証明書、ラブドール動画のおとどけ

メールで、葬儀証明書、画像、動画を持ち主に届ける。

ラブドール処分


ドールのお葬式のプラン

①ドールのお葬式エンジェルプラン(葬儀料金:9万円):

参列できる。写真を残る。ドール一部のパーツを残る。ドール供養。旅たつ。廃棄業者に破砕されるのに抵抗。手紙を読む。

供養・葬儀・最後のポートレート・葬儀証明書・葬儀の動画or画像・解体

ご希望者のみ:ご参列・zoom等のビデオ通話でのご参列・パーツの一部を送付・処分

②:ドールのお葬式プラン(葬儀料金:5万円)

参列できる。旅立つ。供養。手紙を読む。

供養・葬儀・葬儀証明書・葬儀の動画or画像・処分

ご希望者のみ:ご参列・zoom等のビデオ通話でのご参列

③ドールの合同葬プラン(葬儀料金:3万円)

数体のドールをまとめて供養する。

合同供養、葬儀・葬儀証明書・葬儀の画像(集合写真)・処分

オプションサービス

ポートレート(五千円)

入棺した状態の最後の写真を撮る

命日・法事のご供養(五千円)

1体だけの旅立ち(5万円)


供養、葬儀はニューハーフのもとAV女優・僧侶として活動しているかとうれい氏(僧名 加藤禮詮)体はかとうれい氏所蔵の延秀の片切刃短刀を用いる。

出棺の前に読み上げられた喪主からのお別れの手紙は、涙を誘うものだった。ラブドールの「らん」さんは、棺の中で変わらぬ表情を見せる。依頼者は、コロナ禍で実家に戻らなければならない男性から。ひとり暮らしなのだろう。どうしても連れて帰ることができない。介添人でドール葬儀社代表の新(あらた)レイヤさんが、男性の胸中がしたためられた手紙を代読した。

「別れる日がつらい。この手紙を書いている時、とても悲しいです。最初は興味本位でラブドールを買ったのに、こんな感情が僕にもあったんだと驚きました。短い間だったけど、いつも一緒にいてくれてありがとう」。僧侶の加藤禮詮(れいせん)さんの読経に送られ「らん」さんの胸元には守り刀も。たくさんの花が亡きドールの周囲に飾られ、棺のふたが閉められた。

代表の新さんは、人をラブドールに見立てて撮影する写真体験サービス「人間ラブドール製造所」を運営。ラブドールの所有者から快くお別れできない悩みを打ち明けられるうちに、葬儀を発案した。人形供養を行う神社や寺なども、ラブドールは断られることがほとんど。信頼できる処理業者にも依頼し、単なる廃棄物や好奇の目で処分されることに心理的抵抗を持つ所有者のニーズをくむものになっている。

性処理の道具として見られがちなラブドールだが、亡くなったパートナーや子どもを模したラブドールを形見代わりに所有する人も多い。引っ越しや介護など、さまざまな事情で迎える最愛のドールとの別れの時。新さんの「大事に愛された証を残してあげたい。オーナーに寄り添ってあげたい」という志に加藤さんは共鳴した。

5歳から修行の道に入り、その後得度した。「ラブドールはしゃべらないけど、ご家族と一緒。動かないだけで、人間と変わらない。もし自身の家族のご遺体が、粗末に扱われたらどうしますか?愛されるために来た彼女を、愛情で送ってあげたい」と、ふだんの葬儀と寸分変わらぬ読経や作法を施す。加藤さんはトランスジェンダー女性(MTF)で、風俗業で働く女性に寄り添うため、かとうれいの名でセクシー女優になった過去もある。かつて心と体の性不一致に悩む人に向けられていたような好奇の目が、ラブドールに向けられていると懸念した。

プランは合同葬で3万円から。利益はほとんどないという。「偏見をなくしたい。ラブドールは性的なものであるというイメージが薄らいだら」と話す加藤さんに、新さんも「必要としている人に届けばいい。少なくとも必要な人がいれば、機会が届けられれば。供養できる場所があれば、気持ちが楽になる」と自負する。

理念は“最後の愛情のお手伝い”。2人のおくりびとは、依頼主が注いできた愛情に応えるべく「こんなに愛されて幸せやったな…」と声をかけ、手厚すぎるほどにラブドールを送っていた。私が死んだ時、妻や家族はラブドール以上に愛情を注いでくれるのだろうか

TPEラブドール


人形供養の神社やお寺はあれど、ラブドール・ダッチワイフなどの等身大の人形の供養を引き受けてくれる場所が現状ほぼない。また、TPEラブドールが増えお迎えしやすくなったことにより、経年劣化の早いラブドールが必然的に増え、ラブドールの廃棄問題は、いずれ社会問題になると推測している

ラブドールは大型ゴミとして家庭ゴミとしてお別れすることも可能だ。しかし、実際にラブドールを大型ゴミとして出して通報されたり、人目を気にして不法投棄したことにより殺人事件に間違われてしまったというリスクの高い事例もある。ほかのところだったら、不法投棄で警察官に逮捕するリスクもある


今、ラブドール葬儀社で、これらの心配はなくなる。ラブドールだけでなく、別のドール、人形で処分可能である。


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